湧川哲行

思い出を残したい

クーレンカンプ、シューマンのヴァイオリン協奏曲世界初録音

シューマンのヴァイオリン協奏曲ニ短調がシューマン死後83年偶然にも図書館から発見された。シューマンの生前、友人ヨアヒムの下で封印されていた同曲楽譜は、ヨアヒム没後の1907年にプロイセン国立図書館に寄贈されていたのだ。

1933年、ドイツでナチスが政権をとると、友人のフーベルマンとカール・フレッシュはユダヤ人であったためドイツを去った。ドイツ人のアドルフ・ブッシュもベルリンで活動していたフリッツ・クライスラー、ゴールドベルクもドイツを去り、ドイツに残ったのはクーレンカンプただ一人だった。ヒトラーの名によってドイツ国以外の初演を禁止させドイツ政府が1937年11月26日、クーレンカンプとカール・ベーム指揮ベルリン・フィルが世界初演を行うこととなった。 そして初演をラジオを通して全世界に放送した。

写真のベートーヴェンのクロイツェル・ソナタはピアノがケンプである。私は数多くのクロイツェルを聴いたが、この組み合わせの2楽章はとても素晴らしく感じました。