湧川哲行

思い出を残したい

開店20周年

レストランマルシャンは2024年9月24日をもって開店20周年を迎えることとなりました。
これもひとえに皆様の温かいご支援の賜物と深く感謝申し上げます。

思い起こせば色々、あった20年だけにあっという間に過ぎておりました。

スタートは、調理師を雇い私がフロアの担当でした。斜め前の神田藪蕎麦の火災、東北大震災、何と言ってもコロナでした。やっと落ち着きが見えたかと思ったらウクライナ戦争が始まり輸入食材の高騰にかなり悩まされました。そして今年だけみても能登半島地震、猛暑続きや台風、激しい豪雨災害、日本の食物も高騰とまだ先が見えない数々な問題があります。今では、自ら調理をする事になり年齢的にもかなり厳しくなって参りました。それでも皆様の励ましによりまだもう少し頑張るぞと気持ちを新たにしております。

 

英グラモフォン社 HMV203

すでにHMV194とビクトローラ・クレデンザを、店内で使用している。

そこにHMV203を加えると客席が確保出来ない問題があった。

数ヶ月悩みいよいよ搬入する事になった。理由は、自分の年齢からもう何年も店の維持は難しいと決断したからです。いざ搬入となると問題は大きさであった。

蓄音機を知り尽くした友人が搬入を手伝ってくれました。

 

いよいよ設置、開口面積の大きさから音量、音色に余裕がある。

さすがに他の蓄音機には、手が出なくなる。

名実ともに世界最高級に恥じない蓄音機である。

バッハ無伴奏パルティータ第2番

最近時間に余裕ができSPレコード整理ができるようになった。

今回は、アドルフ・ブッシュの3枚組をきいた。

バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番

1929年ロンドン録音

20世紀前半のドイツを代表する名ヴァイオリニスト、アドルフ・ブッシュ。

 

バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番の終曲「シャコンヌ」は何度聞いても素晴らしい。

この演奏に関してはブッシュが1番と言って良い。

特に蓄音機から出てくるブッシュのヴァイオリンの演奏は言葉さえ失ってしまう音色だ。なぜか蓄音機で聴かなければ感動が薄れてしまう気がしてならない。

 

又、ブッシュ弦楽四重奏団は演奏史に残る名演も残されており次回、ゆっくり聴いてみます。

 

シャコンヌを聴いているとバッハの偉大さが又、大きく伝わってくる。

ランドフスカとメニューイン

バッハ:ヴァイオリン・ソナタ第3番 ホ長調 

ユーディ・メニューイン(ヴァイオリン)

ワンダ・ランドフスカ(チェンバロ)

 

19441220

RCAのスタジオ録音

メニューイン-エネスコと違いランドフスカと、メニューインの共演作は大変珍しくRCAのスタジオで行った録音です。

メニューインが28歳、ランドフスカは65歳である。メニューインのヴァイオリン1742年制作、ガルネリの音色をが、とても清々しく聞こえてくる。神童として騒がれただけに度肝抜かれる演奏だ。又、ランドフスカの美しい演奏バッハのソナタは時を忘れさせてくれる。

是非、一度蓄音機で聴いてみて下さい。スピード感あふれる演奏、技巧的演奏と音色は、蓄音機の音に感動します。

 

 

HMV102型(イギリス)1929年

やっと満足できるHMV102に出会えた。これまでレッド、青、黒と購入したが、ケースの痛みやサビなどで状態が多少悪かった。音は言うまでもなくどちらも素晴らしかったです。。102は仕上げの美しさ、音の素晴らしさからして世界最高のポータブル蓄音機だと思います。何と言っても持ち運びでき大型と同じ位の音量は魅了です。

今回は、緑でかなりの美品でホルダーに鍵まで付いていました。サウドボックスは、No5Aで鯖などもほとんどなくとても状態がの良い102でした。

大切に長く愛用したいと思います。

 

ジョルジェ•エネスコ初録音

エネスコのレコード録音は1924年アメリカ・コロンビアの機械式録音に始まる。下記のレコードは、エネスコの初録音盤です。

クライスラー プロヴァンスの朝の歌、L.クープランの様式によるダンブロジオセレナード作品4  

ヴァイオリン、ジョルジェエネスコ

ピアノ、エドワード•C•ハリス

そして1925年にアメリカで出会った少年の師となる。その少年の名はメニューインです。

1932年、神童メニューインが16歳の時の初録音にして、恩師エネスコと共演した「2つのヴァイオリンのための協奏曲」実に素晴らしい演奏です。

フリッツ・クライスラー エフレム・ジンバリスト、ヨーゼフ・シゲティ カール・フレッシュ 3組のS Pコンサートを店でやりました。興味のある方是非、お越し下さい。ルーマニアで発行されている5レイ紙幣にエネスコの肖像が使用されている。中でも電気録音のバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ全6曲は演奏家や心あるレコード愛好家が絶賛したが数年でカタログから消えてしまいLPレコード最高のコレクター・アイテムになった。40年くらい前に都内の中古レコード店でエネスコのLPレコードが100万円で売られていた。

 

クララ•シューマン

クーレンカンプによるシューマン作曲の協奏曲を聴いていたらふとクララ•シューマンの本が頭を過ったので、もう一度読み直すことにした。クラーラ・シューマンは、ドイツのピアニスト、作曲家でピアノ教師19世紀に活躍した世界初めての女性ピアニストであり、また作曲家ロベルト・シューマンの妻として知られている。ドイツ通貨のシンボル100マルク札(日本で言えば一万円札)の肖像にクララを起用していました。シューマン作曲、「トロイメライ」。 1838年シューマン28歳の時に、婚約者だったピアニストのクララに贈った甘美な曲です。

夫ロベルトの死後、クララがそれまでも親交が深かったブラームスと恋愛関係になったという説が現代に至るまであるが、それを裏付けるものは全くない。クララの功績として大きいのは、暗譜を定着させたこと。もともと、ヨーロッパでは楽譜を読みながら演奏するのが一般的でしたがクララは譜面を事前に暗記し、何も見ずに演奏する現在の演奏会用序曲スタイルを好み、定着させていだそうです。

そこで紹介したい本があります。著者、萩谷由喜子さんがクララ生誕200年記念の年に出版した世界で初めてのワーキングマザーのピアニスト、クララ・シューマンである。実に読み応えのありクララ•シューマンのすべてを知ることができます。また、本の中で紹介されている曲が試聴できるQRコード付きです。